人間が持つ悩みの多くは人間関係からくるものだと言います。
家族や友人との関係だけでなく仕事でも人間関係で悩む方が多くいます。
理学療法士も例外ではありません。
理学療法士の多くは、医療や介護(福祉)の業界で働きます。
国の調査では平成27年、日本で医療・福祉業界で働く人は700万人を超えているとのことです。
したがって理学療法士は仕事をする上で非常に多くの人達が持つ様々な立場や思いを聞き入れながら、程よい人間関係を保つ必要があります。
そこでこの記事では理学療法士が働くうえでよくある人間関係の悩みを様々な立場の人ごとにピックアップします。
そしてその対策についてアドバイスします。是非最後までお読みください。
人間関係とは「相手を受け入れ、尊重してあげる」ことが基本
はじめに、人間関係における基本的な考え方について解説します。
良好な人間関係を保つための事例に応じた様々なコミュニケーションテクニックはありますが、人間関係の基本は相手の立場や言い分をいかに受け入れられるかにあります。
人間は常に自分にとって最善の選択肢をしています。
言い換えれば人は自分の意見や行動に対して自分なりの「正義・正論」を持っています。
そして人は自分の正義や正論が受け入れられた時に最も喜びを感じ、受け入れた相手を信用します。
したがって人間関係の悩みを解決するには、相手の意見や行動を認め、高く評価することが重要になります。
上司・先輩はセラピストへのこだわりを認めてあげよう
では理学療法士が仕事をする上で関わる人たちはどのような考えを持ち、行動しているのでしょうか。
はじめに理学療法士が最も付き合い方に悩みやすい上司や先輩について解説します。
上司や先輩は経験が長い分、人生や理学療法に対する持論や方法論を持っています。
そしてその考え方を部下や後輩に教えて、理学療法士としてより効率的に成長してほしいと考えています。
ところが、上司や先輩が考える「王道」は、その人にとってはベストであっても、部下や後輩にとってはベストではないことがあります。
そのような場合、上司や先輩との人間関係に悩みます。
しかし上司や先輩の考えを一切受け入れない態度を取ることは、人間関係を保つうえで致命的です。
先輩や上司の考え方が古い考え方だと思えても、いったん受け入れることで、自分にとってプラスになる面が必ずあります。
したがって理学療法士は上司や先輩のアドバイスや指導を一度は聞き入れてください。
そして自分なりにその良し悪しを経験しながら答えを出すことで、自分の考え方を確立させていけばよいのです。
医師はその高い専門性を尊重しよう
理学療法士が医療機関や介護施設で働く場合、医師の指示が必要です。
したがって医師との人間関係は業務上不可欠だと言えます。
医師との人間関係にはどのようなポイントがあるのでしょうか。
医師との人間関係では制度として目上の立場になるため、理学療法士が納得できない指示であっても止む無く受け入れていることで悩むことがあります。
しかし医師はその立場になるまでに理学療法士を上回る勉強や実習に勤しんでいます。
また医師のもつ専門知識の多くは理学療法士にとっても有益なものです。
したがって理学療法士は医師が理学療法士に指示を出すために学んできた高いスキルを受け入れ、自らの知識として積極的に吸収すべきです。
そうすることで理学療法士としても高い専門性が身につけることができます。
事務長は理学療法士が苦手とする分野を背負っています
理学療法士としてキャリアが付いてくると、事務長との人間関係に悩む理学療法士がいます。
事務長は理学療法士に対して数値的なノルマを要求してくることが多くあります。
理学療法の高い質を望む理学療法士にとって理学療法の量を求める事務長との人間関係に苦慮することがあります。
だからといって事務長に対して「金儲けしか考えていない」と否定的に捉えるのは良くありません。
組織の中で理学療法士が安定した給与を得るためには、就業時間に応じた仕事量を行わなければなりません。
したがって理学療法士は事務長に対して「自分たちがお金のことを考えずに治療に専念できるのは事務長のおかげだ」と考えて敬意を示すことが大切です。
その上で理学療法の質をふまえた議論を行うべきなのです。
他の医療スタッフはそれぞれの強みにリスペクト
医療機関や介護施設では理学療法士以外の専門スタッフがいます。
看護師はほぼ間違いなくどの組織にもいます。
リハビリテーションに強い施設であれば作業療法士や言語聴覚療法士もたくさんいます。
彼らは患者様や利用者様のリハビリテーションに介入しますが、理学療法に関しての知識や技術は少ないと言えます。
したがって理学療法士の視点で見れば理解できないことを実施していることがあります。
だからと言って、看護師や他のリハビリ職の行為を否定するようではいけません。
基本的に彼らも患者様や利用者様が良くなることを願って真摯に取り組んでいます。
また理学療法士では不十分な知識や技術を彼らは有しています。
したがって他の医療スタッフがどのような意図をもって看護や治療を行っているのかを十分に聞き取る必要があります。
そして理学療法士は自分が足りなかった視点を得て、かつ理学療法士としての違った視点を他のスタッフとシェアすることで良好な人間関係を保つことができるのです。
同僚や後輩には彼らの不安や不満を汲み取ってあげよう
理学療法士の数が多い組織になれば、同期入職の理学療法士がいるでしょう。
また勤続年数に応じて後輩の数も増えてきます。
理学療法士として共感しあえる話題も多くあるためこれまで紹介した人たちに比べると人間関係で苦労することは少ないと言えます。
しかし出し抜いた行動をする同僚や、反発的な態度を示す後輩がいることがあります。
だからと言って彼らを責めることは良くありません。
彼らは人間関係を保つスキルが未熟なため、善意だと思っていることを強くアピールし過ぎていることが多くあります。
そして裏を返せば彼らが持つ不安や不満の裏返しとして表れていることがあるのです。
したがって同僚や後輩に対して彼らが抱えている熱い思いや将来への心配を聞き取ってあげることが良好な人間関係を保つコツです。
良好な関係を築けないのであれば転職をしましょう
ここまで紹介した内容を意識することで、組織の中で働く理学療法士として良好な人間関係を保つことができます。
しかしこちらが良好な人間関係を保つ努力を行っても、相手が同様の対応をしてもらえなければ人間関係は成立しません。
もしあなたが働いている組織で上記のようなコミュニケーションを行わない方が多いのであれば、積極的に転職先を探すことをお勧めします。
人の意見を聞き入れない組織は組織としても成長しないし、働く人も成長できません。
なお、理学療法士の転職支援会社はこちらを参考にご覧ください。
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相手の良さを認めあうことが重要です
この記事では理学療法士が陥りやすい人間関係の悩みとその対策について解説してきましたが、いかがでいしたでしょうか。
この記事では以下のポイントにまとめることができます。
- 人間関係の基本は「互いの正義」を認め合うことである
- 上司や先輩は理学療法士としての誇りを称賛すべき
- 医師は医療チームのリーダーとして尊敬すべき
- 事務長は組織の金庫番として頼りになる
- 他の医療スタッフとはお互いのスキルを補完しあえる
- 同僚や後輩は未熟で不器用なところを許すことが大切
- 人間関係の基本ができない職場からはすぐに転職
理学療法士は専門職がゆえに、仕事の特長や苦労する面が他の職種には分かりにくいと言えます。
そして裏を返せば理学療法士は他の職業に対する理解が不十分であると言えます。
だからこそ理学療法士は共に働くスタッフに対して敬意を示すことを強く意識する必要があると言えるのです。