皆さんは介護施設での面接の際、面接官は何を見ていると思いますか?
みだしなみ?履歴書?介護の目線で見る基準とは?
いろいろありそうですよね。
そこで今回は介護の面接官が見ているポイントについてご紹介致します。
介護の面接官が見ているポイント(1)話し方
敬語や丁寧語が使えているか?
面接時にまず気になるのが“話し方”です。
キチンと敬語や丁寧語が使えているか?がポイントです。
私自身、2年ほど介護施設で面接官を務めていました。中でも印象的だったのが、面接中に突然タメ口になった方です。
応募者と年齢が近いという事もあって話が盛り上がりました。
ここまでは良いのですが、途中から「〇〇だよね」とタメ口になっていったのです。
いくらなんでもリラックスしすぎです。面接官である私が面接中の緊張感を出せなかったのが反省点なのかもしれません。
ですが、友達でもない、ましてや初対面の方にタメ口は介護施設の面接じゃなくてもご法度です。
少々ノリの良い方でしたので、雰囲気で使用してしまったのでしょう。
介護施設ではご利用者様とのコミュニケーションが求められますが、原則敬語を使用します。
経験者、未経験者問わずご利用者様に対しては敬語を使います。
飲食業やアパレル業でお客様にタメ口は基本的には使いません。
こちらが“仲良し”だと思っていてもお客様はそうじゃない事もあります。テクニックとして使用する事はありますが、新人教育などでも基本的には敬語です。
介護施設のご利用者様も同じです。ご利用者様=お客様ですから面接官はまず、話し方がおかしくないか?そこを見ています。
声の大きさや速度が介護に向いているか
介護で働いている方、もしくは介護経験者の半数は話すスピードがゆったりしています。私の偏見かもしれませんが、ご利用者様が高齢になってくると耳が遠くなっていきます。
大きな方と話をする際、大きな声でゆっくりと話をすると伝わりやすいのです。毎日大きな声でゆっくり話をしていると普段から身についてしまいます。
一種の職業病です。
面接時に気になるのは、声の大きさや速度です。
小さな声でボソボソ早口で話をされるとご利用者様と会話が成り立ちません。
また、声が小さいと自信が無さげに見え、仕事への意欲があるのかな?と思われてしまい、何一つ良い事がありません
面接時間も限りがあるので、終始ゆっくり話す事は避けたいですが、時と場合に合わせて使い分けられるとより良いでしょう。
介護の面接官が見ているポイント(2)身だしなみ
清潔感
介護業界は3Kと言われています。
三つのKのうちの一つが“汚い”とされています。「じゃあ、それほど清潔感出さなくて良いのか?」と言われるとそうではありません。
面接官は“清潔感”をかなり重要視しています。
一昔前まではお世辞にも綺麗な建物、労働環境と言えませんでした。
しかし近年の介護現場は清潔感を大切に心がけている施設がかなり増えてきていますので、面接時の清潔感は非常に重要なポイントです。
介護施設もどんどん潰れていっている時代ですから、より良い環境、質の高いサービスを提供する事をミッションに掲げています。
また、ご利用者様も清潔感がある職員がいると満足度が上がるのも確かです。
不思議なもので清潔感のある職員が増えると自ずと施設にも清潔感が出てきます。故に面接官は応募者に清潔感があるかどうかを見ているのです。
きつい臭いがするとNG
過去に女性の方で香水の匂いが結構キツイ方が面接に来られました。
これは意外と自分じゃ気づかないのですよね。
自分では印象良く清潔感を出そうと控えめな香水を使用されていたのでしょう。しかし面接に香水は必要ないかなと私は思います。
介護職員は臭いに敏感です。
毎日オムツ交換を致しますし、吐しゃ物等の処理をする事もあります。
普段はしない不自然な臭いを察知するのも介護士の仕事です。臭いで早期発見出来、大事にならなかった事例も結構あります。介護職員は臭いに敏感ですから私は非常に気になりました。
また香水の好みは結構分かれますよ。
ご本人は良いと思っていても相手にとっては不快なケースもあります。香水や体臭に限らず、面接時のエチケットは面接官としては気になるポイントです。
介護の面接官が見ているポイント(3)業界に興味はあるか?
介護の仕事もそうですが“介護業界”に興味がある方がどうか、実はこれ非常に重要です。
介護職の経験者が面接に来て下さるのは非常にありがたい事ですが、一言で介護経験者と言っても正直幅広いのです。
サービスの種類や経験年数、役職や立場にもよります。
そのような基準も大切ですが、もっと大切なのはどれほど介護業界に興味があるか?です。
介護の仕事は施設の中で行いますので、異業種の方や他の施設の介護士との対外的な接触は基本的にありません。
従って介護の現場で働いている人は目の前の仕事、ご利用者様の事、同僚の事など、どうしても普段から接している割合が多い事に意識が行ってしまいます。
そんな現場介護士でも業界に興味がある方はどういった方が多いのか?
いくつかありますが、管理職経験者、または研修に積極的に参加されていた、キャリアアップを考えている方などです。
業界に興味がある方に共通する事は“視野の広さ”です。
ただ何となく介護の仕事をしていても業界の全体像は見えてきません。
お金のために仕事をこなしているだけなら、介護業界に興味を持つことは必要ありません。言われた事をして、理不尽な事に我慢をするエネルギーを割いていればそれで良いのです。
興味があるからこそ、全体像が見え、ご自身が今後どういう風になっていきたいかを考える事が出来るのです。
従って、介護業界に興味がある方は“伸びしろ”があります。この方が今後活躍してくれる人材かどうか見定めます。
介護の面接官が見ているポイント(3)聞かれた質問に答えられているか?
会話のキャッチボールが出来ているか、面接官が見るポイントになります。
ご利用者様と話をする事も多いですが、職員同士で情報共有を行う事や、報告連絡相談などコミュニケーションが活発なのが介護施設の特徴でもあります。
ご利用者様と会話をする際、事細かく説明していては伝わりにくくなります。
単純明快に物事を伝えないと理解してもらえません。
介護職員間では円滑なコミュニケーションが出来ないと仕事に影響が出る事はもちろん、チーム内がギクシャクしてしまう恐れが出てきます。
また、性格も明るくコミュニケーションは得意だけど一方的に話をして、言われたことを何も覚えていない方もいらっしゃいます。
雰囲気は良くなりますが肝心な事が抜けていては仕事になりません。
コミュニケーションはどうか?介護の面接時に気になる所です。
こちら側の質問に答えられているか?難しい言葉を使わずに返答できているか?会話のキャッチボールが出来ているかを介護の面接官は見ています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?介護施設の面接官が見ているポイントについてご紹介致しました。
従来の介護施設の面接と言えば「資格はお持ちですか?」や「いつから働けますか?」
と言った決まり文句ばかりでした。
理由は一昔前まで介護事業は未来事業と呼ばれ、ビジネスのトレンドとなり施設が乱立しました。少子化に伴い人口減少で利用される方も年々減っていき、介護業界にも影響が出て来るようになっていきました。
その結果、介護施設も徐々に淘汰されていく時代に突入してしまいました。
今では昔と違い、誰でも雇用していた時代、来るもの拒まずと言われていた時代は終わりを迎えつつあります。
今後はより良いサービスを提供する事が求められます。施設側も少しでも良い人材を確保するために、面接官の目も厳しくなっていくでしょう。