介護の仕事は離職者数が多い仕事です。
辞める理由の過半数は会社への不満や人間関係が嫌で退職される方が多く見受けられます。
辞めるにしても様々な辞められる理由がありますが、理由によっては円満に退職する事はなかなか難しいですよね?
そこで、今回は介護職を辞める際の円満退職の方法や辞めるタイミングについてふれていきたいと思います。
介護職の退職理由
退職する事になってしまったのはどうして?
まずはそこから見ていきたいと思います。
人間関係
退職理由ランキングでかなりの確率で1位に君臨する項目は“人間関係の悪化”による退職理由が大半です。
しかし一概に人間関係といっても様々な人間関係があります。
介護職は人相手のお仕事ですので、ご利用者様や文句を言ってくるご家族様とトラブルになった、一緒に働いていた同僚と関係が悪化した、上司と話が合わない、など人間関係も様々。
人間関係と言っても「会社の人」だけとは限りません。
介護職はいわば感情労働ですので、上手にストレスと向き合えない方や、自分の意見を通したいという考えだと人間関係の悪化に繋がる可能性があります。
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会社と方針が違う
次に会社の方針が違う、考え方が合わないといった理由が挙げられます。
「え?方針を知っていて、その会社入ったのだよね?」と思われるかもしれません。
はい、その通りです。
いくつもの介護職の中で、“ここで働く”と決めた時に分かっていたハズです。
しかし人間には良くも悪くも“慣れ”というものが存在します。
入社直後は分かっていた事でも、徐々に自分自身の実績やキャリアが出てきてしまうと“自分の方が上手く出来る、こうしたら良いのに”といった感情が芽生えてきます。
それは次第に現場だけでなくしまいには経営にまで口を出してしまう事もあります。
そのような気持ちが芽生える事は良いと感じています。
しかし、会社への不満からこういう考えが及ぶケースは危険です。
つまり、「あの人だから上手くいかない、だからあの人はダメなのよ」といった不満です。
そのような感情が出てくると理解力のある社長なら「なるほど」と話を聞いてくれます。
しかし理解力のある方ばかりではありません。「私の会社だぞ」「私がみんなのお給料を払ってやっているのだぞ」と立場で話される方もいらっしゃいます。
そうなればもうどうする事も出来ません。
定期的に会社の方針を確認することも必要ですし、なにより会社側も労働者側もどちらが上だ、という事ではなく同じ目線で物事が言い合える関係が良いですよね。
お互いの立場を理解してどちらが“してあげている”ではなくお互いの事を思う事が大切だと感じます。
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介護職が合わないから辞めたい理由とは。ブラック施設が原因? – 介護Love blog
介護施設を辞める理由はネガティブな理由だけではありません。
結婚や出産を期に退職
“退職”と聞くと良いイメージが浮かばない方も多いのではないでしょうか?
しかし退職する理由もそればかりではありません。
結婚や出産を期に退職される方も多くいらっしゃいます。介護職は若年層の退職者が後を絶たない、という文面を時々おみかけします。
確かに職場でいじめになったとか、社内恋愛が上手くいかずに居づらくなったという理由もありますが、そればかりではないという事です。
こういう形で退職される方は子供がある程度大きくなった後に、また同じ施設で働く方もいらっしゃいます。
そのようなケースだとそれはそれで円満退社だと言えるでしょう。
別の資格の仕事をするために
これまでは介護士として働いていたが「これから相談業務をやっていきたい」という方が辞められるケースもあります。
相談業務を行っている施設なら良いのですが、無い施設もあります。
どうしても自分がしたい仕事が今の現場に無い場合、別の職場に行かなくてはなりません。このようなキャリアアップを目指した退職もまた存在します。
急な退職をすると現場が困るのでタイミングを計って辞めよう
スケジュール管理に混乱が生じる
ただでさえ人が足りていない職場ですから一人抜けるだけで現場が回らなくなることも珍しくありません。
急な退職で一番困る部分はスケジュール管理だと感じています。
介護施設では各フロアを数名でユニットを組んでお世話をするのが一般的です。
私どもの施設ではこういうケースは、管理職の方が新しい職員が入るまで現場に入ります。
そして入った後にその分休みを取る、といったやり方をしています。
ただし急に2人辞められるとこのやり方が通用しなくなりますのでくれぐれも退職を考えている方は急な退職は避けていただけたら幸いです。
タイミングとしては、できたら3ヶ月前には辞めたいという話をした方がいいでしょう。
ご利用者様、ご家族様への説明
介護職の中でも一部の役割の人はご利用者様だけではなくご家族様ともお話をする機会があります。
ですので、急な退職で挨拶をしていかずに辞められると困ります。
働いている職員だけでなくご家族様にも迷惑をかけてしまうことがあります。
そうなると、結果的には会社の信用も問われてしまう事だってあります。
会社や職員に対して不満や恨みを持って辞める方には何を言っても遅いのかもしれませんが、自分の立場を理解して頂きたいという思いがあります。
ご利用者様にも1ヶ月前までには退職するお話をして、その後の引き継ぎがしっかりできていることを伝えましょう。
資料やデータがなくなる。パソコンが使えない。
データやソフトの引継ぎトラブルに限っては介護の仕事のみならず一般のお仕事でもあります。
介護施設で若い方がいない施設ですとパソコンを使える職員は重宝されます。
しかしその職員が急に退職された場合、パソコンを使える職員がいなくなることになります。
「今の時代にそういう事あるの?」と思われるかもしれませんが、介護の世界では結構普通に起こります。
そうなるとご利用者様の聞き取り表や資料のフォーマットがどこにあるのか分からなくなる事は結構あります。
また、Excelですと計算式が入っている部分を誤って削除してしまい数字が反映されなくなる、といった事が起こります。
さらに、パソコンの引継ぎをしたのに引き継いだ人がイマイチ理解しておらず結果的に資料が作れなくなった、一から作り直しといったケースも珍しくありません。
そういったこともあり、事務処理の部分でも急な退職により、現場は困惑してしまいます。
特にパソコンでデータを扱う社員が辞める場合は、引き続きマニュアルをきちんと作って、引き継ぎ担当者に説明してから辞めるようにしましょう。
介護職の円満退職の秘訣
余裕をもって退職する事を伝える
円満退社をする際に一番重要なのが“期間に余裕をもって退職する旨を伝える”という所です。
どんなに会社や同僚と仲良く出来ていても、これが出来ないと一瞬で崩れます。
他の職員もそれぞれ自分の仕事を抱えているので、それプラス自分の業務を誰かがフォローしてくれている、という認識を持つことが必要です。
不満を言って辞めない
“自分がもう辞めるから”という理由で今まで我慢していた事、ストレスに感じていた事を言う。
または横柄な態度を取られる方がいらっしゃいます。
今まで好印象だった人が辞めるとなった途端に人が変わったかのようにわがままになってしまうのです。
辞めた後もどこかでバッタリ会う事やご近所さんになる時があるかもしれません。
他の場所で仕事上で会う可能性もゼロではありません。
従って退職が決まったからといって好き放題出来るわけではありませんので、普段通りお仕事をするのが良いと感じます。
まとめ
いかがだったでしょうか?
円満退職の秘訣はやはり期日に余裕を持たせる、引継ぎをしっかり行う、この2点が最低限必要になります。
会社を辞める時、我慢の限界が来た、心身に支障が出てきた、などと前向きな理由がない事が殆どです。
このような状態で円満退社をする事は確かに簡単ではありません。
しかし今後もどこかで一緒に仕事をする事や何かの縁でお会いすことがある事もゼロではありません。
少しだけポジティブに捉えて円満に退社をする事で今後、良い人間関係が築けるかもしれませんね。