「介護職の面接、受ければ必ず受かると思っていたのに落ちた」、そう耳にする事があります。
求人検索や求人誌を見てもらうと介護の求人は溢れかえるほど出ています。それほど介護職は人を欲しがっています。それなのになぜ落ちたのでしょうか?
そこで今回は、介護の面接に落ちる理由について触れていきたいと思います。
介護の面接に落ちた理由(1)身だしなみに問題
髪型
まず、介護士は清潔感のある髪型である事がポイントです。
現役介護士の中には髪の色が明るい方やピアスをして仕事をしている方、男性でも髪の毛が長い方などいらっしゃいます。
では、介護の世界では身なりは自由なのか?と言われるとそうではありません。
面接を行う理由の一つは社会人としての一般的な常識がある方かどうかを判断するために行います。
会社のルールでは良いかも知れませんが、それは入社してからの話になります。面接時に髪の毛の色が明るすぎる、または男性だが髪の毛が長すぎる方は落とされる恐れがあります。
介護職はサービス業ですので、お客様が不快に思われないような清潔さを保つことが基本とされています。
「どうしても明るい色にしたいです」と言われる方は就業規則や接遇等で基準が設けられているのでそちらを確認してみて下さい。
服装
自分の背丈や体格に合ったスーツを着られていない事が原因で介護の面接に落ちてしまうケースがあります。
なんといっても見た目は重要、自分の体型に合わない服装で面接に来られた際には「自分ではどう思っているのだろう?」と逆に思ってしまいます。
ぶかぶかなスーツを着ている姿だと見ている側としても気持ちの良いものではありません。
また、スーツの肩にフケが付いている方が時々いらっしゃいます。
介護の仕事は細かい部分にまで目が届かなければなりません。ご自身の身なりのチェックが細部まで行き渡らない方に良い印象は持てません。
このように服装一つにしても雑さが表れていると面接官側も「介護の仕事に影響が出るのでは?」と不安になり、採用に至らないケースが考えられます。
介護の面接に落ちた理由(2)声の印象や話し方
声の大きさやスピードに気をつけたい
面接では自分の事を相手にアピールしなければなりません。
応募者が複数いる場合は特に印象に残ってもらう必要があります。
印象に残る事で大事な事は“声”です。
ボソボソと何を言っているか聞き取れない声では印象に残りません。更には自信が無さげにも見えますので、この人に介護の仕事を任せて大丈夫かな?と心配になります。
また、介護の仕事は耳が遠い方が多く利用されています。
ご利用者様とお話をする時に声の大きさとスピードに気を付けなければ相手に届きません。声が小さいと印象に残らない事、介護施設のご利用者様と会話が難しい事が挙げられます。
きちんとした敬語が使えるかは面接官に見られている
さわやかな身なりでスーツもビシッと決まっているのですが、丁寧な言葉遣いが出来ていない方は不採用とさせていただく事があります。
「〇〇ッス」や「〇〇なんだよね」などが挙げられます。
これはおそらく自覚が無く使っているか、リラックスしすぎているかでしょう。敬語が使えない方は、介護の仕事中でも必ずどこかでクセが表れます。
ご利用者様と会話する際や上司に報告をする際に出てしまいます。会議施設の仕事では円滑なコミュニケーションをとるためには敬語で話す事が必須となります。
その他介護の面接に落ちやすいポイント
志望動機がテンプレ
介護の面接を受ける際、余程自分がしたい仕事ではない限り、志望動機をお伝えするのが一番の悩みどころの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
これまで様々な履歴書を拝見させていただきましたが、これは雇い入れ出来ないな、と感じた方の志望動機は共通してテンプレ化されたようなものばかり。
面接練習用の文面や介護の転職サイトに記載されていたものをそのまま引用したかのような決まり切った内容でした。
面接官はご自身の言葉かどうかは、いくつか質問を行えば分かります。
言っている事と志望動機に一貫性が無いケースもチラホラありました。良い文章を書こうとしなくても良いので、ご自身の素直な言葉で書くことが大切です。
余談ですが、現在私どもの介護施設で働いている方に志望動機の聞き取りを行いました。
なぜこの介護施設を選んだのか?と訪ねてみた所「お給料が良かった」「家が近かった」「職場環境がよさそうだった」」との事でした。
本音と建前ですかね、内容はどうあれ本心が聞けて良かったと感じています。
介護職への意欲が感じられない
「この介護施設でどうしても働きたい」という意欲が面接で見られない方はお断りされる場合があります。
私はモチベーションに勝るものは無いと普段から感じています。
労働に対する意欲も重要で、ここで働きたいというような意欲が感じられない場合は「別にこの人じゃなくて良いよね」との決断になってしまいます。
中には「前職で嫌な思いをして退職された、でもすぐに仕事を見つけなければならない状況だ」とネガティブな気持ちを引きずったまま介護の面接に来られた方も見受けられました。
表情に覇気が無くどことなく疲れた表情で受け答えされていました。
前職で大変な思いをされたと思うのですが、それはまた別の話です。冷たいと思うかもしれませんが、どのような理由であれ、介護の仕事に意欲が感じられない方は落ちる可能性が非常に高いのです。
的外れな回答を繰り返す
面接官が聞きたい質問に的外れな回答を何度もしてしまう人も面接で落ちやすいです。
そうなると面接官側は「上手く伝わっていないのかな?」や「そういう事を聞きたいのではない」と円滑にいかない事が原因で徐々にストレスが溜まっていきます。
面接官側がストレスを感じると相手も感じないわけありません。
このような事が介護の業務中に何度も起きてしまった場合「面倒くさい」と思ってしまう職員が必ず出てきてしまい、結果的に組織の雰囲気が悪くなってしまいます。
介護の面接を行う上で今動いている組織がさらに良くなるように人選を行います。
わざわざチームワークを乱すような方は介護施設に雇い入れません。面接時に聞かれた質問に答えられていない、コミュニケーションがとりにくいな、と思われると不採用になってしまいます。
介護利用者を見下している発言
おそらく介護の面接で落ちる一番の理由がこの利用者を見下している発言をしたケースです。
用紙や受け答えがどれほど完璧でも、この発言が出ると即不採用です。
介護サービスを受けられている方は一人では社会生活が遅れません、そういった方を社会的弱者として捉える事は仕方ありません。
度が過ぎると「私が面倒を見てあげたい」「弱者から感謝されたい」といった言葉が出てきます。お客様からサービス料を頂いて支援を行っているのはどのサービス業も同じことが言えます。
仮に自分がお金を払って何らかのサービスを受けにお店に入ったとしましょう。
お店の従業員からやたらと上から目線で話されると、もう二度とこのお店には行きたくありませんよね。介護の仕事も同じです。
クレームが入らないからといって雑に対応してはいけません。
介護職経験者が面接に来てこのような発言が見られたら「以前の職場でも利用者に対して失礼な態度で仕事をしていたのだろうな」と感じてしまいます。
介護の面接に落ちるのにはそれなりの理由がある
いかがでしたでしょうか?
今日は介護の面接に落ちた理由について触れてみました。介護の仕事は人のお世話をする仕事です。見た目や接し方も重要ですが、介護士としての取り組み方も問われます。これは経験者、未経験者問わず見られる所です。
介護の面接に何度も落ちている人は、面倒を見る視点ではなくサービスを提供する視点で相手にお伝えすると良い印象が得られるでしょう。
ポイントさえ押さえておけば介護職の面接にはまず落ちる事はありません。是非参考にしてみてください。