施設によっては人手が足りないという事で派遣スタッフに来ていただいている所もあります。
私が働いている施設でも人手不足のため施設側が派遣会社に問い合わせをすることもあります。
しかし他の施設の話を聞くと「派遣スタッフは使えない」といった情報を耳にすることもあります。
そんなことないんですけどね~。
本当に派遣スタッフは介護の現場では活躍できないのでしょうか?
そこで、今回は介護の現場で働く人材で派遣スタッフはありか?使えないって本当かどうか、についてご説明していきたいと思います。
派遣スタッフの介護士って存在するの?
介護現場に派遣で働いている方がいらっしゃるのか疑問に持たれる方もいると思います。
もちろんいらっしゃいます。
実際に私どもの施設でも派遣会社を通して働いていた介護士が在籍していました。
ご家庭の事情で週に5日、月曜日から金曜日までで労働時間は9時~17時まで。
他の正社員の方とほとんど変わらない働き方をしています。
介護職の派遣スタッフの仕事内容は?
派遣でも通常の社員と全く変わりません。
派遣スタッフだからといって特別な仕事もありませんし、特別な待遇もありません。
介護士としての資格をお持ちの方なら現場にも入っていただきますし、移乗や入浴介助など通常の介護業務を行っていただきます。
また介護士としての資格をお持ちでない方は、介護補助者として介護業務以外のお仕事をお願いしています。
このように、正社員と業務内容は変わりません。
正社員からは使えないと言われる?
派遣スタッフは介護の現場では使えないと言われると良く耳にします。
何をもって使えないのか、情報は不確かではありますがそういった認識をされている施設もあります。
ただ、実際には派遣スタッフでも正社員と同じほど仕事が出来る方もいらっしゃるのは事実です。
どの職員よりも戦力になる、是非正社員登用してうちの施設で働いてほしい、そういった方もいらっしゃるのは確かな事実です。
働く施設や提供しているサービス、施設の人間関係が関係しているのは紛れもない事実です。
正社員よりも仕事をしっかりしてくださる方もいれば、パートさんよりも全然仕事が出来ない、という方もいらっしゃいます。
故に「人による」というのが正しい答えです。
では、仕事の出来る派遣スタッフ、仕事の出来ない派遣スタッフについて私の経験談も交えながらいくつかご紹介致します。
仕事が出来る派遣スタッフとは?
順応性がある
介護に限らず新しい職場環境になじめるか、ここが重要だと感じます。
介護業務はチームワークが基本ですからスキルがあっても人間的に難しい人であれば務まりません。
職場の雰囲気が明るいのに派遣スタッフが暗い、または職場の雰囲気が割と静かなのに対し明るく大きな声で話す、などその施設の雰囲気に合っているかどうかが問われます。
立場を意識している
人間というものは良くも悪くも環境に適応していきます。
派遣スタッフでもバリバリ仕事出来る方も多くいらっしゃいます。
非常に頼もしく感じています。
しかし仕事が出来るあまり、他の職員ともめるケースもまた存在します。
そうすると職場の雰囲気が悪化し、お局社員から「派遣のくせに」と陰口を叩かれるのも女性の職場の悩みでもあります。
今まで見てきた派遣スタッフの中では仕事が突出して出来る方も素晴らしいですが、しっかりとご自身の立場を理解している方、先輩を立てられる方は仕事が出来るなと感じました。
スキルがあればそれを最大限に活かせる職場があるならとても良い事なのですが、そう理想通りいかないのが現実です。
このように立場を意識出来る方は介護の施設だけじゃなくてもどこの世界でも成功できる方なのではないか、と私自身感じています。
責任感を持っている。
どのような仕事でも「私は派遣スタッフなので…」といって責任を持たない仕事をしている方は誰も「この人仕事出来るな」とは感じませんよね?
介護の仕事も同じです。
派遣スタッフだから、パートだからという立場ではなくしっかり責任感を持って仕事をしている方は好印象です。
不思議なもので介護技術が不慣れでたどたどしくても、責任感を持って仕事をされている方はとても好まれます。
仕事が出来ないスタッフとは?
こだわりが強い
「昔の介護の職場ではこうだった」と今のやり方に意見をされる方は派遣スタッフとして働くのは少々難しいのではないか、と感じています。
介護の仕事では介護技術の方法は日進月歩、常にアップデートされています。
施設で良くあるトラブルの中に施設のやり方でやらなければならない、というものがあります。
一番発言力、または影響力のある方のやり方です、いわばお局様ですね。
技術内容としては古いものの誰も何も言えないという良くない状況に陥ります。
「自分が正しい」と思い込んでいる方に多く見られます。
そういう方は昔の職場で教えられたことが“介護”の全てになっています。
しかしそれが正解ではない、という事を認識されているかどうかなのです。
昔はこうだった、と話されている内は「仕事が出来るスタッフ」としては見ることは出来ません。
介護施設に来られる方は一人として同じご利用者様はいらっしゃいません。
こだわりが強すぎると、柔軟に対応するのも難しくなります。
介護に限らず、どの業界も常に勉強していかなければどんどん取り残されてしまいます。
場に馴染めない
介護の職場の男女比は女性の割合が多いのが現状です。
どれだけ仕事が出来る方でも環境に合わない、といった事が出てきます。
派遣スタッフが男性ならまだ安心してみていられるかな、と言った様子ですが、女性の方なら「すでに存在している女性同士の人間関係に馴染んでくれるかな」と内心冷や冷やしながら見ています。
ほとんど問題はないのですが、ごく稀に派遣スタッフが原因で施設の雰囲気が悪くなる、といった事態がありました。
一旦雰囲気が悪くなると、元に戻るまでかなりのエネルギーを消費します。
ですので、場になじめるかどうかはかなり大切です。
※派遣スタッフが馴染めない場合の対策についてはこちらもご覧ください。
その他の要因
派遣スタッフだけでなく“派遣元”に関係してくる場合もあります。
派遣会社が派遣スタッフを受け入れている側に「ちゃんと仕事していますか?」「何か問題点ありませんか?」と定期的に訪問してくださいます。
私どもが雇用している方ではありませんから、要望があれば派遣会社の担当者を通して伝えています。
そこで「もう少し〇〇してほしい」など要望を派遣会社に伝えると、しっかり話をして下さる会社とそうでない会社があります。
もちろんお願い出来ること、できない事はあると思います。
言葉で説明するのは難しいですが、対応を見ていても何となく「あ、しっかり話してくれたのだな」と、分かるものなのです。
仕事が出来るスタッフかどうかは「どこの派遣会社のスタッフなら大丈夫か」、そういった部分もある程度は関係してくるのではないかと感じています。
良い派遣会社は施設の人間関係も教えてくれる
いかがでしたでしょうか?
私の経験上、介護現場に派遣スタッフを受け入れても全く問題ありませんでした。
スムーズに現場も回りますし、チームワークが乱れることなく綺麗に仕事をしてくださいます。
逆に施設の雰囲気に合わない方が来てしまうと雰囲気が悪くなり、サービスの質にも影響が出てしまいます。
ただし、これは派遣スタッフに限った事ではなく正社員でも同じことが言えます。
故に派遣スタッフだから使えない、などという事は決してありません。