理学療法士はリハビリテーション職の花形として人気のある職業です。
近年は若い人を中心に理学療法士の免許を取得し医療機関や介護施設を中心に活躍しています。
ところが理学療法士の仕事をする上で様々な悩みを抱えることがあります。
中には「理学療法士の仕事が辛くて大変、辞めたい。」と考えることもあるようです。
しかし社会では多くの人が理学療法士のさらなる活躍に期待しています。
であれば、理学療法士には他の仕事にはない素晴らしい良さがあるはずです。
この記事では理学療法士の仕事で感じる、つらい部分と、それを上回るやりがいや素晴らしさを解説します。
理学療法士の仕事で起こりうる大変な部分
はじめに、理学療法士が仕事をする際に起こりうる大変な部分について解説します。
理学療法士は「病院などで患者様と楽しく会話している仕事」というイメージを持たれることがあります。
しかし理学療法士は専門職のため、他の職種の方には仕事内容の詳細を理解しづらい面があります。
※仕事内容はこちらの記事も参考になります。
理学療法士と作業療法士の違い~仕事内容・難易度・給料・将来性について
理学療法士は介助などで肉体的につらい時がある
理学療法士は語弊を恐れず言えば「肉体労働」です。
治療手段である運動療法では、自らも身体を動かす必要があります。
さらに動作訓練(ADL訓練)では、自らも歩くだけでなく場合によっては患者様や利用者様を介助する必要があります。
特に小柄な女性の場合、大柄な男性の介助となると大変です。
理学療法士の間でも50代や60代まで続けられるか不安だという意見があります。
理学療法士は高いコミュニケーションスキルが求められる
先述したように理学療法士は患者様や利用者様と楽しく会話しているというイメージがあります。
しかし理学療法士は友人と会話しているわけではありません。
一般的に理学療法士が仕事で接する方は精神的に落ち込んでいます。
また高齢者も多いので理学療法士は自分の親よりも年長の方と会話しなければなりません。
したがって楽しい中にも慎重に言葉を選び、相手の表情を察知して会話をしています。
会話を自然とできる理学療法士もいますが、中にはコミュニケーションに対して辛いと感じるかもしれません。
理学療法士は粘り強く治療や訓練を続ける必要がある
理学療法の治療目的の多くは弱った筋力の維持や強化と固くなった関節の可動域を改善することです。
これらの障害の多くは、すぐに治るものではありません。
早くても数週間、場合によっては数か月かけてようやく効果が出るものがあります。
また結果的に効果が現れないこともあります。
すぐに表れない治療効果に対して患者様や利用者様からプレッシャーをかけられることもあります。
このような場合、理学療法士には心理的なストレスがかかり、慣れない人にはつらいと言えます。
理学療法士はスキルを上げるために休日を費やすことがある
理学療法士は人に対して治療や訓練を行う専門職です。
その技術は日進月歩で、かつ多岐に渡っています。
休日や終業後にはスキルアップを目的とした様々な研修会や練習会が開催されています。
また近年は理学療法に関する研究も盛んに行われているため、学会などで次々と発表がされています。
理学療法士は定期的に研修会や学会に参加し、新たな知見を得て技術を習得する必要があります。
しかし職場はそのための代休を付与しないことがあります。
また経験年数の浅い理学療法士の場合、スキルアップのために多くの時間を使う必要があります。
こうしたことが理学療法士に自由な時間を少なくし、仕事が辛いと感じる可能性があります。
理学療法士は患者様や利用者様の人生を背負うことがある
理学療法士は担当した患者様や利用者様を長期間にわたって担当することが多くあります。
そして患者様や利用者様は自分ではどうすることもできない障害を克服したいがために理学療法士に大きな期待を寄せてきます。
つまり患者様や利用者様は自分の人生をかけてリハビリに取り組まれていると言えます。
そういった意気込みに対して理学療法士は真摯に向き合い、全力を尽くして治療や訓練を行わなければなりません。
これは理学療法士にとって心理的負担が大きく大変な仕事と言えます。
つらい部分は裏を返せばやりがいとスキルアップになる
このように理学療法士には様々な仕事上のストレスがあります。
実際に理学療法士の中には、これらついらい部分が折り重なったがゆえに体調を崩し、理学療法士を辞めてしまう人がいます。
しかしどのようなことにも裏と表があるように、理学療法士に加わるつらい部分は見方を変えればやりがいやメリットにもなります。
そしてこういった大変な点を乗り越えることで理学療法士としてのスキルアップにもつながると言えます。
ここからは、理学療法士の仕事におけるやりがいやメリットについて解説します。
介助技術が高くなり腰痛が起こりにくい
先ほど、理学療法士は動けなくなった人の介助をするため大変だと言いました。
しかし理学療法士が行う介助技術は自らも負担にならず、かつ患者様や利用者様の機能訓練になるものです。
理学療法士は介助技術を十分に学ぶことで自らの身体を壊さずに介助できる技術を身につけることができます。
自らも手軽に健康になることができる
理学療法士は筋肉や骨の構造を熟知しています。
そしてその知識をもとに患者様や利用者様に効果的な体操や筋トレの指導を行います。
したがって理学療法士は学んだ体操や筋トレ法を自分のために使うことができます。
実際に仕事として体操指導をしていると理学療法士自身の体調も良くなったという話があります。
常に人に喜ばれる仕事はそれほど多くない
理学療法士は患者様や利用者様と共に長期間のリハビリに取り組むことが多くあります。
理学療法士は誠意をもって治療や訓練を行えば、患者様や利用者様は結果を問わず大いに満足されます。
人はつらい時をともに乗り越えてくれた人に感謝を示すものです。このやりがいは理学療法士にならなければ味わえないものだと言えます。
生涯かけてスキルアップができる
理学療法士は常に技術や知識の向上に取り組まなければなりません。
しかし真面目に修得すれば、その効果はすぐに表れることがあります。
今までできなかった、知らなかった技術や知識を休日に学び、次の日の仕事ですぐに効果が出た時の喜びはひとしおです。
そして年数をかけて学び続けることで他の人には真似できない高いスキルに到達することができます。
まとめ
理学療法士の仕事でのデメリットや苦労と、理学療法士にしか味わえないやりがいやメリットを解説しましたがいかがでしたでしょうか。
この記事のポイントとして以下のものが挙げられます。
- 理学療法士は肉体労働的な点がつらい
- 高齢者や精神的に落ち込んだ人に対する高いコミュニケーションスキルがいること
- 理学療法の治療は時間をかけて粘り強く続ける必要があること
- 理学療法士は休日返上でスキルアップの勉強をするときがあること
- 理学療法士は患者様や利用者様の人生に大きな責任を背負う可能性があること
- 一方で理学療法士は介助技術が高くなり身体を痛めにくいこと
- 理学療法士は体操やトレーニング法を自らの健康に使えること
- 理学療法士は患者様や利用者様に大いに喜ばれる仕事であること
- 理学療法士はスキルアップを継続することで「職人技」を身につけられること
どのような職業であっても、その仕事独特の苦労する面は必ずあります。
理学療法士においてもそれは同じことだと言えます。
一方で、理学療法士は他の医療技術職と違い、治療や訓練を行うことができる職種です。そのため一般社会において大きな期待と信頼を持たれていると言えます。
辛くて大変な時もありますが、やりがいに関してはかなり高い職業の1つだと言えます。
なお、職場での人間関係の問題や労働時間の問題で仕事がつらいと感じている方も中にはいます。
そういう場合は迷わず転職を考えてください。
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