ベテラン認定介護福祉士からヘルパーさんまで誰でも最初は誰でも新人介護士です。
介護士の経験が無い方からすると、一人前の介護士として働くまでどういう流れが気になりますよね?
今回は新人介護士が入社してからする事、そして直面する介護の大変な所、やりがいや面白い所などのあるあるネタをご紹介したいと思います。
入社してからまず初めにすることは?
新人介護士は必ず「新人研修」というものがあります。
施設によって内容、期間が異なる場合があります。
1日で終わる施設もあれば技術等含めて3か月、長い時は1年プリセプター(新人研修担当者)が付いて一緒に現場を回ってくれます。
一昔前まで研修はカタチだけのもの、入社すればすぐ現場に出されます。そして叱られながら学んでいく、といった時代でした。
しかし現在は「新人を育てる」という取り組みが行われています。
全国でも例があると思いますが、私の勤めている施設の自治体は「新人研修マニュアルの設置、報告書の作成」が指導項目として挙げられています。
つまり新人研修を行っていない施設は自治体から直接指導が入ることになるのです。では「新人研修」の内容がどういったものか私が勤務している施設を基に簡単にご説明したいと思います。
オリエンテーションの内容。
まずはオリエンテーションから始まります。
新人研修の内容や日程、経営理念などについて説明があります。施設の運営方針や施設の在り方、考え方などが主な内容になります。
① 入居者、施設利用者へのご挨拶
現在ご利用中の高齢者の方に自己紹介を兼ねてご挨拶を行います。
耳が遠い方も多くいらっしゃるので後日、お世話をする際に個別にもご挨拶を行います。
② マナー・接遇、など
言葉遣いや、身だしなみ、勤務態度などの確認をします。
以上が私の施設でのオリエンテーション内容になります。おそらく他の施設でも似たような内容なのではないか、と思われます。
次に説明するのが現場に出てからの実践的な内容になります。
現場に出てから
実践的な介護技術ここからは3ヵ月~1年ほどかけて研修担当者と一緒に現場に出て介護を行います。
学校や研修で学んだだけでは現場では通用しません。
ご利用者様との接し方、コミュニケーションスキルや実践的な介護スキルをこの期間で身に着けます。
① 介護技術
身体介助、食事介助、排せつ介助、衣類の着脱や移乗など基礎的な事から介護に対する心構えをここでは学びます。
また、日常起こる事故など事例検討を交えて学習します。
例えばフットサポート(車いすに乗った際、足を置く所)の先から足の指が出てしまう事があります。そのままエレベーターに乗った際、壁に足の指が当たり骨折してしまう、などです。
普段何気ない所にも危険が潜んでいる事を新人介護士に認識してもらうのです。
② 制度の説明
制度についての説明があります。
介護保険制度、年金制度、高齢者にまつわる制度なんかも説明があります。近年問題になっている虐待防止法についての説明もここで行います。
③ 高齢者特有の病気ついての知識
高齢になると出てくる病気、疾患、または施設などの感染症予防、対策についての勉強をします。これらの事を定期的に、内容を分けて研修をしていきます。
新人が直面する大変な所
労働の割に合わない?
介護士として仕事をし、初めて初任給を頂いた際に驚くのは賃金の額ではありません。
「こんな大変な仕事をしてこれだけ?」と、労働に対する対価のバランスに驚いた、という話を結構聞きます。
私個人も最初はそうでした。
先輩介護士からは叱られ、利用者様からは暴言を吐かれることもしばしば。
肉体労働なので身体を酷使しますし、先輩方を見ていてもほぼ全員腰にコルセット装着しながら仕事しています。
新人介護士は「これを何年も続けるのか…」と一度は考えてしまうのです。
夜勤が大変
新人介護士としての仕事で必ずぶち当たるであろう壁が「夜勤」です。
新人のうちは職場に慣れるため、また仕事内容になれるために夜勤から外れるケースもあります。
初めて夜勤をする際は緊張からくる精神的な疲れはありますが肉体的にはさほど疲れを感じません。むしろランナーズハイのように妙に高いテンションになります。
夜勤後はお休みですからハイテンションのまま活動を続けてしまいます。友達とランチに行ったり買い物にでかけたり。
しかし2回3回と続けるうちに、驚くほど疲労感がたまっている事に気が付くのです。
「あれ?それほど忙しくなかったのだけど、なんで?」。
そうです、緊張感で麻痺していたものが解けてきて実は疲労感が物凄くたまっていたのです。
慣れていない生活リズムで疲れが取れず、たまっていたものが一気に押し寄せてきますので肉体的にも精神的にも辛いものがあります。
こうならないために、夜勤後は軽く運動して休む、無理に遊びに行かない。そうやって新人介護士は夜勤の疲労の抜き方を学んでいくのです。
※夜勤のあるある事例についてはこちらの記事も参考にご覧ください。
新人介護士が遭遇した面白い所あるある
レクリエーション
介護の仕事をしていてご利用者様が楽しみにしているものがレクリエーションになります。
毎回、職員が案を出し合って決められた時間で開催します。
指先を動かす、脳を活性化させる、また他のご利用者様や職員とのコミュニケーションを円滑にする、といった目的があります。
内容は様々でクイズやしりとり、言葉遊びなどが基本となります。新人介護士はレクリエーションに積極的に参加させられます。
これは意地悪ではなく、ご利用者様に名前を覚えてもらう、顔を覚えてもらうといった理由があります。そこで直面するのが、クイズの回答です。
我々には想像も付かないような内容の回答が乱れ飛びます。ヒントや正解率なんて関係ありません。ほとんどの新人は笑ってしまいます。
ご利用者様も笑って過ごされています。そうなると施設全体が良い空気に包まれます。
ご利用者様になんとか喜んでもらいたい、楽しそうに笑っている顔を見ると疲れも吹き飛ぶといった職員増える事でしょう。
亡くなったはずでは…?
皆さんはオバケや心霊現象は信じますか?おそらく気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか?こればかりは見た人、体験された人にしか理解されませんし証明のしようがありません。
亡くなられた方が廊下を歩いているのを見かけた、名前を呼ばれて振り返ると誰もいなかった、など数えきれないほど体験しましたし、話を聞きました。
「疲れているのでは?」確かにそうかもしれません。
昼間はレクリエーションでワイワイにぎやかな施設でも夜は真っ暗、シーンと静まり返っています。
その中を懐中電灯で見回りをするのですから慣れていない新人にとってはちょっとした肝試しに近い感覚になるのです。
ですが先輩介護士も付き添いますからご安心を。
物盗り
私どもの施設で認知症の高齢者の方が入所しています。
「物盗り」と呼ばれる収集癖のある方である特定のものを集めたがるのです。それはティッシュです。戦後間もないころ、ティッシュが高級品だったのでしょうね、その頃の記憶が甦りやたらティッシュを集めたがるのです。
新人介護士がそうとは知らずそのまま洗濯機でパジャマを洗ってしまったのです。カンの良い方ならお気づきですね。ポケットにティッシュが入ったまま洗ってしまったのです。
新人介護士が慌ててステーションに戻ってきました。洗濯機は大惨事。ティッシュの塊が大量に…。
こうやって面白おかしい経験をしながら新人介護士は学んでいくのです。
まとめ
新人介護士が直面する大変な事、面白い事、いかがでしたでしょうか?
「え?そんな事本当にあるの?」と介護の世界では日常生活では考えられないような出来事が多く存在します。
社会的にも介護の仕事は大変な部分にフォーカスが当たりがちですが返って楽しい事も沢山あります。
「働いてみるとイメージと違った、結構楽しい」と言った話も多く聞きます。介護士として働いてみたい、興味がある、という方は実際に働いてみるともしかすると思っていたイメージと違うかもしれませんね。
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