求人サイトなんかを見ていると「オープニングスタッフ募集」と書かれている介護施設をお見掛けします。
介護職員の仕事はしたことあるけど立ち上げ時から働いた事が無い方もいらっしゃると思います。
そもそもオープニングスタッフって何するの?
ご利用者様がいない時の介護士の仕事はなに?
と疑問を持たれる事でしょう。
立ち上げから関わるのはなかなか出来ることじゃないから楽しそうと思われる方もいますし、逆に会社のルールも決まっていなくて正直不安ですと話される方もいらっしゃいます。
そこで、今回は「オープニングスタッフで勤務する場合のメリット、デメリット」についてご紹介致します。
介護施設のオープニングスタッフとして働く事のメリット
職場のルールを作る
オープニングスタッフとして入った場合、まだ施設のルールが決まっていないケースが存在します。
介護施設で働いている方で「もっとこうしたら上手くいくのに」「こっちの方が効率よく仕事できるのに」と感じたことはありませんか?
いくら良い案が出たとしても凝り固まった組織のルールを変えることはかなりの至難の業です。
今ある組織を変えていくという行為は膨大なエネルギーを使いますから結局諦めて愚痴を言って終わり、なんてことが良く見受けられます。
オープニングスタッフとして勤務すると、今まで無駄だと思っていた業務や効率性を重視したルールなど、意見が出しやすくなります。
それに誰でもそうですが、人間関係がギクシャクしている、職場環境が悪い所では働きたくありませんよね?
組織がまだ出来上がっていないから会社の代表にも意見が通りやすくなるという部分もあります。
他のスタッフと話し合って決めていく事が出来るのもオープニングスタッフのメリットです。
施設が綺麗
開所間もない施設はかなり綺麗です。
建物自体は古いなんて事はありますが、大体の場合は床や壁などは新しくすることが多いです。
綺麗な施設だと気分も明るくなって綺麗に仕事が出来ます。
長年運営している介護施設だと、共有スペースは綺麗でも事務所内は結構バタバタです。
物で机があふれていたり、整理されていない書類がたくさんあったりします。
開所時はまだ散らかっていないので「この綺麗さを皆でキープしていこう」という気持ちになります。
介護職員同士のフラットな関係性がよい
人間関係のフラットなのもメリットの一つと言えるでしょう。
何かと介護職=人間関係が取りざたされていますが、オープニングスタッフとして勤務する場合はほぼフラットです。
年齢の違いや経験値、性別など多少の関係性は出てきますが、開所間もない状況で働くことは他のスタッフも同じです。
不安な部分が多い時期だと思いますので関係性はフラットです。誰しも面倒くさい人間関係を作りたくないですからね。
※人間関係の問題はこちらにも書きましたのでご覧ください。
介護施設のオープニングスタッフとして働く事のデメリット
営業活動をさせられる事も?
病院や本部など母体がある場合はそこからご利用者様の紹介があるので営業とはほぼ無縁です。
しかしバックボーンが無い介護施設単体で経営されている施設もあります。
そういった施設では時折営業活動に出てほしいと頼まれる事もあります。
“新しい介護施設が出来ました”と周囲にご挨拶に回ったり、町内会にご挨拶に出向いたりなど開所時は結構しなければならないことが多いのです。
介護施設はご利用者様が利用してくれなければ収入はありませんので、現場にご利用者様がいらっしゃらない時期は営業活動をお願いされることが多くなります。
施設内の設備が整っていない
介護施設を開所する際に指定申請を行わなければなりません。
書類がいくつもありますし、もちろん不備があれば訂正し正しいものを提出しなければなりません。
施設を開所するまでの立ち上げ期間は書類やご挨拶などに追われます。
そしてやっと開所日を迎えますが、肝心な備品がまだ届いていない。
なんてことはおそらくオープニングスタッフをご経験されている方の中では“あるある”です。
開所しても室内が必要最低限の物しかないといった事があります。
必要備品を自分たちで相談して買う事や、近所のホームセンターに買い出し、またはネットで注文など本来の業務以外の業務があります。
マニュアルなどの整備
上記に付随する内容なのですが、施設運営に関する“マニュアル”が無いケースも割と目立ちます。
施設を運営する上でマニュアルの設置や書類の整備が必要になります。
介護士として働く方にとってパソコンを使用する事が苦手な方も多くいらっしゃいます。
「マニュアル作っておいて」と頼まれることもありますので面接時に「パソコンは使えません」としっかり伝えておくと良いでしょう。
細かいルールが無いため、職員の統率がとれない事も?
介護職員の中には、ルールが無いと動けないという方もいらっしゃいます。
今日する事がしっかりと把握できていないと自分で考えて行動できない方もいらっしゃいます。そういった方にはオープニングスタッフとして働くには少々辛いかもしれません。
オープニングスタッフというのはまだ何もない所から作り上げていくのも仕事です。「介護士で応募したのに」では正直難しいでしょう。
オープニングスタッフとして働くうえで気を付けたいこと。
介護職未経験だと難しい部分も。
これまで介護経験が未経験な方ですと無理ではないのですが、難しいかなというのが正直な所です。
介護施設ではしっかり“新人研修マニュアル”というものが存在します。
それに教育係がしっかりいらっしゃいます。自分で考えて行う事は良い事ですが、人から教わって良い事もまたあります。
またオープニングスタッフとして勤務する際、介護職の1日の流れというのを把握できているかどうかが結構重要になってきます。
ある程度介護の仕事はこれだけ疲れるのだよ、こんな部分が大変だよ。というのが分かっていないと仕事が長続きしない場合もあります。
※新人介護職の大変な点はこちらをお読みください。
現場以外の仕事
先ほども触れましたが、ご利用者様がいてこその介護サービスです。
ご利用者様がいなければサービスが成り立ちませんから収入もありません。
「じゃあ暇だからお菓子でも食べてお喋りしてようか」とはなりませんよね。
現場でする仕事がないなら、現場以外の仕事もしなければならないという事をある程度理解しておかなければなりません。
営業活動、書類作成、または物品を運んだり組み立てたりすることもあります。その他様々な仕事があります。
「そんな話聞いていません」と言って辞めていかれる方もいらっしゃいますので、オープニングスタッフとして働くという事はこういう事だとある程度覚悟しておくことが大切です。
オープニングスタッフは働きやすい介護施設を一緒に作れるチャンス!
いかがだったでしょうか。
オープニングスタッフとして勤務する場合のメリットとデメリットをご紹介しました。
しっかり施設が出来上がっている状態で働きたい方よりは、これから自分たちで作っていく、良い職場環境を作ろうと思っている方の方がオープニングには明らかに向いています。
オープニングスタッフに応募される方というのは介護業界で様々な苦労をされてきた方が多く見受けられます。
人間関係ですとか、会社の方針など、自分の想いと違う所を感じてこられたのだと思います。
今現在、介護の仕事をしているけど「なんか違うな」「もっとこうしたいな」と思っている方がいるのだとしたら、そういう気持ちを大切にしてオープニングスタッフとして働いてみるのも良いですね。