現場の仕事はなんとなく分かるんだけど、施設長や管理者ってどういったお仕事しているか、ちょっと不明ですよね?
現場にでなくていいから楽そう。パソコンの前でカタカタ事務処理に追われてそう。
そんなイメージでしょうか?
今回は老人ホームの施設長、管理者の仕事内容についてご紹介していきたいと思います。
もちろん遊んでいるわけではないですよ 笑
老人ホームの施設長、管理者とは?
いわば施設や事業所での事実上のトップになります。
呼び方は「管理者」「施設長」「ホーム等」「所長」などなど施設によって異なります。
老人ホームによっては資格の要件等がありますが、無資格や経験が無くても施設長や管理者になれる施設もあります。
介護の知識も必要ですが、それよりも職員や施設の管理、マネジメント、外部や顧客対応が中心となります。したがって総合的に施設を運営していく力が求められます。
老人ホームの施設長の仕事内容とは?
主に管理業務、来客対応、会議への参加になります。大まかにどういった仕事内容なのか、ご紹介致します。
職員や人材の管理
老人ホームの施設長や管理者としての仕事内容で一番重要ともいえるべき事仕事。それが「人材育成、職員の採用」になります。
老人ホームの規模によっては人事部が行ったり、法人の代表が行ったりすることもあります。
どれほど設備が整った施設だろうが、豪華な部屋であろうとサービスを提供するのは職員です。「職員が全て」と言っても過言ではありません。
人材不足を解消するために、面接に来られた方を誰でも採用すれば良い、というものではありません。新しい人材が入る事によって組織がどう変わるか、チームに及ぼす影響なども視野にいればければなりません。
仮に採用後、スタッフ同士の雰囲気が悪くなった、職場が疲弊してきた、良くない影響が出てきた、などにも目を配ることが大切です。
施設長や管理者はそういったことも踏まえながら人選を考慮しなければなりません。
「人手が足りない、仕事が忙しい、現場が疲弊、職員が休みがち、離職」こういった負のスパイラルを起こさないためにもシフトや残業時間、人員配置の見直しが必要になります。
また職員が辞めるのを防止するため、個別の面談を行っている施設も最近では増えています。
良い老人ホームを作るためには優秀な人材の確保、働きやすい環境作りが施設長には求められるのです。
介護技術、サービスの質の向上
介護の技術、スキルを職員に身につけさせるのも老人ホームの管理者、施設長の仕事になります。
研修や勉強会などで知識は身に付きますが、現場に出ると練習通りには行きません。時間に追われ、予期せぬことも多々あります。時間が無いからといって楽な方法ばかりしていると普段から楽をしてしまいます。
職員は楽かもしれませんが気づかないうちに徐々にサービスの質が落ちてしまいます。
老人ホームで決められているやり方、技術を徹底し、サービスの質を維持するようマネジメントする必要があります。
売上を上げる
介護施設、社会的なイメージは良いかもしれませんが慈善事業やボランティアではありません。あくまで会社です。
売上が無ければ職員にお給料をお支払いする事も出来ませんし、事業を続けていくことも出来ません。
介護職から管理者になられた方は現場の事を考えすぎ、他の職種から管理者になられた方は売上ばかりに目を向けず、介護と経営の両立を求められます。
施設長、管理者には現場と経営のバランスをとれる能力が大切なのです。
来客対応など
老人ホームや事業所に関係する企業、利用希望のご家族様、ケアマネジャーなどなど来客対応に追われる事もあります。
ご家族様への施設内の見学、説明。福祉用具の営業の方への対応などがあります。
その他クレーム処理や市区町村などの行政対応、福祉や看護学校からの実習生の受け入れなど数えきれないほどの対応があります。
会議への参加
受け入れの際の担当者会議や虐待防止委員会、食事提供に関する給食委員会など老人ホームの施設長、管理者は多くの会議に参加しなければなりません。
老人ホームのトップなわけですから会議で決定した事を適切に伝える為、現場を把握し指導していくのも施設長、管理者の仕事になります。
介護施設の規模にもよりますが、職員が休んだ、シフトが回らない、といった際には現場に出る事があるかもしれませんが基本的には現場に出る事はありません。
大きな老人ホームですとそれぞれ部署を構えて管理業務を分散します。
逆に小さな老人ホームですと管理者が現場に出たり送迎に行ったりする場合もあります。
施設長、管理者の辛い所
とにかく時間が無い
朝、出勤してメールチェック、郵便物の確認をしよう。かと思いきや夜勤時にトラブルがあり、まずはその対応。
そうこうしている内に会議の時間になりあっという間にお昼だがご家族様からクレームの電話が…と予定通り事が運ぶことはまずありません。
「え?うちの施設長、暇そうですよ?パソコンでインターネットしてますよ」なんて言われる事がありますが間違いです。
もちろん老人ホームの規模や提供しているサービスによっては多少違いますが、基本的には書類と時間に追われています。
会議の資料を作成したり、役所から実地指導がありますと連絡があったら書類の不備が無いか確認したり。
施設長、管理者はとにかく時間がありません。
責任感
施設長、管理者の辛い所はこれに尽きるでしょう。
現場のミスや書類の不備、ご家族様からのクレーム等すべての責任が最終的には自分に降りかかります。
そういったトラブルに対応しながらも組織をまとめ上げるのが老人ホームの施設長、管理者の仕事になります。
人間関係
これは介護職にかかわらず人が集まれば必ず起きる問題です。
介護職でいうと施設長、管理者の立場の方は発言力があります。
小さな老人ホームで派閥が出来上がる、なんて事があると大変ですので、そうなる前に人員配置や個別の面談などメンタルヘルスを行うのも管理者の仕事です。
感情的にならず立場をわきまえて、どちらかに肩入れせず中立の立場で職員間同士のトラブルに対応する姿勢が大切です。
施設長、管理者としてのやりがい
キャリアアップ
老人ホームの運営を任されているという事は、半分経営を行っている、といって良いでしょう。
もしも働いている老人ホームがいくつも展開しているなら、地域のエリアマネージャーに抜擢される可能性もあります。
他には会議や面談などで専門職の方と会う機会が多くなります。
ケアマネージャーや社会福祉士、作業療法士など資格をお持ちの方々と接しているうちに「自分も目指してみようかな」と思う事があります。
現場で働く介護職員にはあまり機会がありませんが専門職の方々と身近にお話しできるのも老人ホームの施設長、管理者の特権なのです。
給料が良い
介護職員と比べると給料面で差があります。
資格手当や役職手当といった形で上乗せされます。夜勤をすると夜勤手当もでる施設もありますので、給料を沢山貰いたい方にとっては魅力的です。
年収400万円~800万円くらいが相場だと思ってください。
ただ、老人ホームの大小によってもかなり幅があります。
まとめ
施設長、管理者の老人ホームでの仕事内容はいかがだったでしょうか?
施設長は介護の知識、技術はもちろん、運営など数字を見ていく能力が求められます。
その他、現場や職員間の人間関係など幅広い視野を持って施設全体を見ていくことが必要になります。
老人ホームのカラー、雰囲気などはトップが変わる事でガラリと変わります。
あなたの指示一つ一つが徐々に施設の雰囲気を変えていきます。
こういった施設があったらいいな、こういった環境で職員が働ける施設を作りたい、など職場づくりや施設づくり、施設運営に興味がある方は施設長や管理者の仕事を是非お勧め致します。