介護の仕事は長く続けるものではない、と辞めた方が話されているのを耳にしたことがあります。
しかし、長く続けている方がいらっしゃるのも事実です。
そこには秘密があるはず・・
ということで、今回は仕事のやり方は何が違うのか?仕事をする上でのメンタルは?など「介護職を長く続けるためのコツ」をご紹介していきましょう。
介護職が長続きするメンタルは?
ご利用者様のためにという気持ちを持つ
同じ仕事をずっと続けていると、何のために働いているのか分からなくなってきますよね。
介護の仕事も同じで、状態が安定している方ばかりや寝たきり状態の方が多い施設だと同じ業務の繰り返しになってきます。
気持ちがそのような状態になっていくと仕事への気持ちも冷めていき、小さな変化に気づけない事が多くなります。
結果大きなミスに繋がるケースもあります。常に“ご利用者様のために行っている”という気持ちを持つことが大切です。
また、職場の人間関係や事務作業など介護業務に関係のない事で頭を悩ます事もあるかと思われます。
本来の業務ではない事で気を使ったり、精神的に疲れたりなど本当は介護の仕事に集中したいのに!という時もあります。
そういった時でも「そうだ、ご利用者様のために仕事をしているのだ」という気持ちがあると意外と心が折れません。
このように、様々な状況でしっかり自分が仕事をする意味を持っていれば気持ちも前向きになり「仕事を辞めようかな」といった状況にはなりにくくなります。
長続きするするのは心からなのです。
楽しみを見つける人は長く続く
介護職の楽しみの一つに職員間の談笑があります。
“介護の仕事は離職率が高い”“介護の仕事は人間関係が複雑だ”と何かと目にしますが、実際はそればかりではありません。
スタッフ同士の仲が良く、休日ご飯にいったり買い物にでかけたりする施設も多くあります。
楽しみを見つける際に人間関係でも良いですし、仕事内容、休憩中に食べるお菓子でも良いです。
何か一つ仕事を続けていくうえで“楽しみを見つける”という事は非常に大切な事です。
モチベーションを保つということは人間にとって難しい事です。個人のパフォーマンスにも影響が出ますし、サービスの質にも影響が出てきます。
もう楽しみを見つけている、楽しい事がある、という方は姿勢も前向きですし、仕事をしていて嫌なことがあったとしても気持ちを引きずりません。
切り替えるのが上手ですからポジティブに物事をとらえることが出来るでしょう。
学ぶ姿勢を持つ
楽しみを見つけるのに少々関係してきますが「何事からも学ぶ姿勢を持つ」事が長く続けるコツだと感じています。
人間は“慣れ”や“退屈”というものに弱い生き物です。
仕事が慣れてきて退屈だ、と感じ始めていると徐々にモチベーションも下がり、なんのために働いているのか分からなくなってきます。
こういった心理状態は何をするにしても良いとは言えません。
ご利用者様の心身の変化も見落としがちになりますし、気づいた時には手遅れだったなんて事があるかもしれません。
学ぶ姿勢を持つ事で小さな変化にも気づくことができます。
昨日までは気づくことが出来なかった事が今日は小さな変化に気づくことが出来た、昨日よりもレベルアップしたと成長をやりがいにする事で仕事が楽しくなります。
介護の仕事のみならず、ご利用者様との会話など何でも構いません。
今日はこんな事を知れた、いつも話してくれないご利用者様が今日は少しお話してくれた、先輩から注意されて落ち込んだけど、注意されなかったらもっと大変な事になっていた。
といったように昨日までの自分ではできなかった事を今日は出来た、学んだ事を楽しみに変えると介護の仕事を辞めたいとは感じなくなるはずです。
長続きする仕事のやり方は?
小さな目標を立てる
仕事において目標を立てるのも良いと感じています。
介護の仕事と一言で言っても様々です。
ご利用者様の身体に直接触れる身体介護から掃除や洗濯を行う生活援助まで多岐にわたります。
ここでお伝えしたい「目標を立てる」とは仕事の内容ではなく“自分自身の目標”です。
モチベーションが続かない多くの理由は“目標が大きすぎる”、または“具体的な目標ではない”のどちらかです。
したがって目に見える目標を立てる事が大切です。
なにも立派な目標を立てる必要はありません。
「今日、これをしよう」という身近な目標で十分です。
“普段同じご利用者様ばかりお話しているから、今日は違うご利用者様とお話しよう”や“職員にこちらから挨拶してみよう”で問題ありません。
仕事をする際業務内容だけに視点を合わせていると行き詰る事が多々あります。
そうした際、直接の業務内容とは別に視点を合わせてみるのもいいです。
会話内容でも構いません、何か一つ仕事をする際の目的を持つと介護業務に飽きても他に自分自身が立てた目的があるので続けられます。
ご自身のキャリアアップも長く続けるコツ
「介護の仕事に飽きたから辞めたい」とお考えの方、少々お待ちください。
介護職といっても数多く資格がある事をご存知でしょうか?
介護の分野だけでも介護福祉士、認定介護福祉士があります。
相談のスペシャリストの社会福祉士や介護支援専門員など資格を取ることで様々なステージで働くことができます。
キャリアアップの良い所は給与面にも影響を与えます。資格手当が付く場合もありますし、施設によっては基本給が底上げされる所もあります。
知識も増え、お給料も増える。キャリアアップをする機会が多いのが介護の仕事の強みでもあります。
長く続けるコツとしてキャリアアップを目指すことで仕事への取り組み方も変わってくるでしょう。
連携している専門職の方
介護士同士で仕事を続けているとモチベーションを保つのが難しいと感じ方におススメなのが多職種との会話です。
同じ目標に向かっているにも関わらず、同じ職員同士だとマンネリ化してしまいます。
そこで連携している専門職の方や会議などでお会いする方と会話をするとモチベーションが上がる時があります。
これは普段の業務をルーティンでこなせるようになると陥る状態なのですが、「自分は仕事が出来ている、もう学ぶことが無い」
と自己評価が高くなります。
しかし、他の専門職種の方とお話することにより、介護や医療、福祉の奥深さを痛感する事が出来ます。
介護福祉士は介護のプロです。
しかし介護業務とは介護だけ出来れば良いというものではありません。
服薬の知識やリハビリの知識、会話する時に技術もありますから、学ぶことはたくさんあります。
他の専門職の方と話していると良く分かります。
新たな刺激を受けることでまた頑張ろう、という気にさせてくれます。
注意する点
長く続ける際に気を付けなければならない点をご紹介致します。
こちらから感謝の言葉を求めない。
先ほど“目標を立てる”と説明しました。ここで注意しなければならない事がご利用者様や他の職員から「感謝してもらう」事です。
これを目標にしてしまうと感謝してもらえないと自分が認められない、相手の事を思いすぎて“ありがた迷惑”になってしまいます。
実はこれ、介護の施設で一番迷惑がられる行為なのです。
ご利用者様、スタッフの事を気遣いすぎてなんでもしてしまう、結果相手の迷惑になります。
相手のニーズに応える事が目的なのか自分が感謝される事が目的なのか分からなくなってしまいます。
このことに気づかずに感謝のために動いてしまうと、感謝されるどころか煙たがられ自分では理由が分からずどんどん孤立していき働きづらくなってしまいます。
とても長く続ける事が出来ません。
あくまで相手に求める内容ではなく、自分自身の目的を立てることが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか、今回は介護の仕事を長く続けるコツをご紹介致しました。
ご自身の視点、考え方などが影響しますが、施設の環境や雰囲気も長く続けるためには大いに関係してきます。
介護の仕事、長く続けたいなぁと思っている方は参考にしてみてくださいね。