夜勤のある職種というのは世の中に数多く存在します。
介護業界も夜勤があります。
施設の種類によりますが、入居施設や高齢者サービス付き住宅、病院などですと、ご利用者様、患者様はそこで生活をしますので家には帰りません。
従って夜間勤務が必要になってきます。
この夜間勤務、介護職ですと資格が無くても従事する事が出来ます。
さて、今回は「無資格の介護職で夜勤は怖い?」といった内容をご紹介致します。
介護職無資格者が夜間勤務になった際に怖いと思う部分、気を付けなければならない部分、何をしているかにも触れていきたいと思います。
介護職の無資格者が夜間勤務時に行う仕事内容は?
夜勤に何しているかというと介護福祉士の補助がメインとなります。
決して一人きりになることはありません。怖いということはないのでご安心を!
- 夕食の介助、就寝前の準備
夕食の配膳、介護士が行っている食事介助や口腔ケアの補助を行います。
その後、就寝前の準備を行います。介護士は排泄の介助や歯磨き、パジャマへの着替えを行います。
無資格者の場合は食堂の清掃や、介護業務を行っている介護士の補助に入ります。
- ご利用者様の安否確認
施設にもよりますが、基本的には1時間~2時間に1度見回りを行います。
お部屋にいるか?呼吸はしているか?
また褥瘡予防のため体位交換等を行います。
- 起床介助
ご利用者様のお部屋のカーテンを開けて元気にご挨拶をします。
介護士は排泄や着替えの介助、オムツ交換等をしていますので無資格者はその補助に周ります。
他には朝食の配膳、食堂の清掃などがあります。
その間に日勤の人が出社されていますので、その後申し送りを行って夜勤のお仕事はおしまいです。
夜勤業務の1日の流れは大体このような流れになります。
何をしてるかわかっていただけたでしょうか。
介護福祉士と無資格者の違いは?
介護現場において、無資格者と有資格者の業務内容の違いは1つだけです。
ご利用者様の身体に触れる直接介護を行えるかどうかです。
ご利用者様の車いすへの移乗や床ずれ予防の体位交換などは介護士として従事している方でなければなりません。
無資格者の仕事内容は身の回りのお世話、介護士の補助が主な仕事になります。“生活援助”と呼ばれる業務にあたります。
たとえばご利用者様のお部屋の清掃、洗濯やシーツ交換、配膳等といったものになります。
これは日勤、夜勤問いませんので基本的に無資格者の場合は介護士資格のある方とペアになります。
※無資格の人ができる仕事についてはこちらもご覧下さい。
無資格者の夜勤の際に気を付けておくこと
介護福祉士の資格がない場合、仕事の内容や介護の基本となる部分がどれだけ理解できているかその人によりバラつきがある可能性があります。
今回は介護士の資格を持っていない方なら誰しも気を付けておかなければならない部分をご紹介致します。
想定外な事が普通に起こる
日勤、夜勤に限らずに利用や介護の現場というものは想定外の事が起きます。
むしろ起こる事が一般的と考えられています。
有資格者や介護業界の経験が長い方だと、ある程度「イレギュラーな事が起こるもの」として仕事をしています。
通常の業務プラスアルファ何か起こっても動けるように意識しているのです。
では、無資格者もそういう心持ちで仕事をすれば良いのでは?と思ってしまいますよね?
実はそこが一番仕事の難しい所なのです。
頭で理解している、マニュアルがしっかりあるからといって、いざその場面に出くわすと最初は必ず混乱します。
怖いと思う人もいるかもしれません。
介護の仕事に限らず何事においてもそうだと思います。気持ちが同様してしまって何から手を付けてよいか分からない事も出てきます。
無資格者の場合、冷静に対応する事よりもまず初めにしっかりと報告する事です。
無資格者は責任が無い仕事だ、と言われる事がありますが、全くそんな事はありません。慌てず状況の報告をする事はとても大切な事なのです。
トラブルの際は即連絡
夜勤中、ほとんどの時間は事務所で記録の記入や日中の事務作業等の続き、清掃などをしています。
その他はコールが鳴ったらお部屋まで様子を見に行く事や、1時間ごとの施設内の見回りがあります。
見回りの際はちゃんと部屋にいるか、呼吸をしているかなど安否確認を行います。
あらかじめ「〇〇さん、最近調子悪いから見回りの時注意深く見てください」と指示があれば覚悟も出来ますし、何かあった際にスムーズに対応が出来ます。
しかしそのような予期できる場面ばかりではありません。
無資格者というのはほとんど介護の経験が無い方だと考えられます。
介護の現場というのは人間相手の仕事ですからマニュアル以外の場面に出くわす事が多々あります。
見回りの際にそういった場面に出くわした際、ペアで夜勤をしている職員に即連絡を入れることが重要です。
自分の判断ではなく少しでも変わった事、自分が気付いた事を伝えることで重大な事態を回避できる可能性がありますから、小さなことでもどんどん伝える事が大切です。
介護施設の夜勤をやっていて怖い部分
歩けないご利用者様
私どもの施設で実際に起きたケースをご紹介致します。
入居施設というのは日常生活が自分一人で送れない方がご利用されています。
中には寝たきりのご利用者様もいらっしゃいます。そういった方は日中、車いすを利用してお出かけを、レクリエーションに参加されています。
私どもの施設にAさんという男性の方が入居されていました。
日中は寝たきりで移動は全て車いすという方です。
会話は普段通り行えている方でお部屋の清掃に伺った際に会話をする事も毎日でした。
そして夜勤中にその出来事は起きました。
事務所で記録帳を書いていた時、突然事務所に足音がしました。
施設内には職員2人と普段施設を利用しているご利用者様だけ。
用事があればコールを鳴らしてもらい、お部屋まで見に行くのですが、歩いてこられるなんて普段と様子がおかしいな?何してるのかな?
とドキドキしながら見に行くと、Aさんが歩いて事務所まで来たのです。
「え?」「この時間にどうしたの?」「何かありましたか?」「Aさん歩いている?」
様々なクエスチョンマークが脳内を飛び交い言葉にならず、事務所内にいる2人の職員は驚きと恐怖のあまり立ちすくむだけ。
まず事態の把握が優先という事で恐る恐る「どうされましたか?」とだけ聞きました。
返ってきた言葉が「トイレに行きたい」とだけでした。
とりあえずお部屋まで誘導する事にしたのですが、見守りだけでよいのか念のため車いすを用意した方がよいのか混乱してしまいました。
何かあってはいけないので車いすを用意し、そのまま排泄介助を終えてお部屋へ連れていきました。
2人の職員は何が何やら分からずあった事だけを記録に記載しました。
それからというものAさんは歩く事は無く、車いすを利用をされています。
あの夜だけはなんだったのか、今でも説明が付きません。
夜中になると昔の記憶が蘇る、細胞が活性化する、といった話を聞いたことはありますが明確な理由はありません。
夜勤中というのはこのような、非日常的な事が割と起こります。
介護の資格や経験があってもこういうことが起これば慌てますしパニックになります。
無資格者の場合は“常識”という考えは捨てて、何があってもおかしくないと構えている方が何かあった場合に対応しやすくなります。
夜勤は怖いこともあるけど、面白い出来事ことの方が多いかも
いかがだったでしょうか?
無資格者で夜勤というのは慣れていない分余計に怖い、不安といった感情が強くなりがちです。
今回は怖い部分をご紹介しましたが現実は面白い事の方が圧倒的に多いです。
現在働いている方、これから介護のしようかどうか迷われている方。是非、現場に入った際は先輩職員に「夜勤時にあった話」を聞いてみてはいかがでしょうか?
※その他介護施設の夜勤に関する記事はこちらも参考にどうぞ。