介護の仕事をしていて辞める理由の第一位は人間関係です。これは明確ですね。
さらに、結構上位に入っている理由の一つに「介護職に飽きた」とあります。
今回は介護職に飽きたと感じるときはどんな時なのか、をご紹介致します。
介護職に飽きたと感じる時
多職種の活躍を目の当たりにした時
介護施設で働く職員は介護士だけではありません。
人員配置に基準があり必ず有資格者を常駐させなければならない施設もあります。
中でも介護老人保健施設、通称“老健”では理学療法士や作業療法士、医者等、特に専門職員の常駐が多く指定されている施設になります。
そこでは3~6か月ほどで医療やリハビリを中心に行い自宅で生活が出来るレベルまで上げる事を目的とされています。
介護士はもちろん、介護業務に携わったり、機能訓練の補助を行ったりします。
介護士には介護士としての業務がしっかりあります、日常のお世話や会話があります。
ここで他の専門職の働き方や知識、経験などを目の当たりにしながら仕事をする上で、どうしても自分が行っている介護士としての業務に専門性を感じなくなる事があります。
もっと専門性が高い仕事がしたいという気持ちも芽生える事もあります。
実際、私の周りでも介護士から作業療法士になった方や看護師になった方も大勢いらっしゃいます。
多職種との連携は刺激になります。
結果的には介護職には“飽きた”事になりますが、よりキャリアアップを目指したケースになりますから一概にネガティブなワードとは言えません。
仲良しの職員が辞めた時
介護の現場ではチームワークが重要になってきます。
チーム内でお互いが仲良く仕事ができるならそれに越したことは無いと思っています。
普段から仲の良かった先輩や同僚が異動なり産休なりで休む、または辞めてしまうとなると今まで保っていたモチベーションが一気に下がる事があります。
決して珍しい事ではありません。
介護の仕事というのはプレッシャーと常に向き合って仕事をしていますから、そういった心の支えになる方がいなくなると崩れてしまうといった事があります。
特に多いのが若い方に見られます。
そうなった時に仕事全般が楽しくなくなってしまう、別に介護職じゃなくてもよいといった心情になってしまうのです。
職員同士の“依存”までは行き過ぎですがある程度の信頼関係が築けるほどの距離感が求められます。
ルーティンワークに感じる
介護の仕事を3年続けているとある程度のイレギュラーな事も経験しているので、さほど慌てなくなります。
管理職や責任者だと現場の他にも面談や来客対応など、新鮮味はまだあります。
しかし現場職だと、普段の仕事はもちろん、受け入れや体調不良などの対応もある程度把握できているので、それすらもルーティン作業に感じてしまいます。
何か面白いことないかな?別の仕事探そうかな、そういった職員が増えてしまいます。
介護施設に行くと求人誌などが置いてありますが、そういった職員が増えてくると求人誌がいつの間にか置かれている傾向があります。
人間関係に飽きる
介護の現場には女性同士の派閥が存在する施設があります。
“派閥”と聞くだけで良いイメージはありませんよね。
まさにそういった面倒くさい人間関係が嫌になり、それに気を使って働いている自分に徐々にバカバカしいと思うようになってきます。
ご利用者様にも気を使って、職員同士にも気を使って、私は何をしているのだろう。と悩んでしまうのです。
介護職が好きと主体性をもって働いていた方がいつのまにか、“お金のため”と考えるようになりどうでもよくなってしまいます。
もちろんそれが悪い事ではありません。
ただ、介護職を続ける理由がなくなるのは確かなので、こういった考えで介護業界を離れていく方もまたいらっしゃるのです。
家に帰っても同じことをしていると気付いた時
介護補助者に良くある事なのですが、介護補助の方は直接ご利用者様の身体に触れる介護(直接介護)が行えません。
従って介護施設の業務は清掃や洗濯、食事の配膳などが主な仕事になってきます。
そのほか介護士と一緒に介護士のフォローに入る事もあります。
主婦で多いのですが介護補助の仕事を終えて家に帰ると、次は自分の家の掃除や洗濯、食事の準備をします。
その時に「あ、仕事でも家でも同じことをしている」と頭をよぎります。
仕事が楽しいうちは良いです、ご利用者様とお話出来るのが楽しいと、人間関係も良いし働きやすい。
仕事と私生活を両立出来るうちは問題ありません。
しかし、“業務に慣れてきた”とか“何かの理由で仕事が楽しくない”と感じ始めたとき「仕事でも家でも何をやっているのだろう」と疑問を持ち始めるのです。
仕事なのか家事なのか分からなくなって来てしまい、仕事としてのメリハリがなくなる事もあります。
また家で嫌な事があった時や、仕事で嫌な事があった時も同じことをしていますからそれを思い出すなんて場合もあります。
このように職場とプライベートで似たような事をする際、上手にオンとオフを使い分けないとこういった心情になってしまいます。
飽きない仕事の仕方とは?
日々勉強
介護士の業務内容は言ってしまえば、1日に行うことは全て決まっています。
それをただ遂行するだけの仕事です。こうやって文章にしてしまえばなんてやりがいのない仕事なのだろう、自分で考えて働きたい方には向いていないよね。
そう思われるかもしれません。
しかし1日として同じ人間はいません。
ご利用者様だけでなく我々もそうです。どれだけ小さな変化に気づけるか、とても重要になってきます。
会話をしている時の内容や衣類の着脱時に昨日までなかった傷がある、など観察力を鍛える事も大切です。
今日こういう事に気づけた、こういう経験をした、など毎日勉強になるなと成長を感じる気持ちが飽きない方法ではないかと感じています。
感謝の気持ちを忘れずに
介護の仕事に関係なくある程度慣れてくると“お世話をしている”事が当たり前になってきます。
介護職も同じで「介護してあげて当たり前」「私がしてあげている」と傲慢な気持ちが芽生えてきます。
初期の頃に比べると考えて仕事をしているのですが、慣れてくると無意識にできてしまうから、こういった気持ちが知らず知らずのうちに出てきてしまうのです。
気持ちに余裕が出てくることは良い事です、仕事の手の抜き方も時には必要です。
しかし手を抜く事が普通になってくるとまた話が変わってきます。
そういう状態は非常に危険で仕事全てをルーティン作業に感じてしまいます。
小さな変化に気づけなくなる、これくらい良いかと自己完結しています。
ゆえに重大なミスを引き起こす可能性が出てきます。
何が起こるかわからない介護職は早期発見がとても大事になってきます。
ご利用者様は年上の方ばかりです。
人生においては自分の何年も何十年も生きていらっしゃいます。
その方のお世話をするという事。そうではなくてもお話をするだけで多く学べるという事を忘れずに取り組む事が大切だと感じています。
まとめ
いかがだったでしょうか?
介護職は辛い事もありますが、それ以上に笑える事の方が多い仕事です。
比較的明るい方も多いです職場の雰囲気になじめたならまず“飽きる”事はないのかな、と感じています。
介護技術はある程度確立されていますが、介護や医療の知識は膨大な量があります。ご興味がある方はそちらを勉強してみるのも良いかもしれません。